地球温暖化対策推進のための国内対策に関する提言

平成29年10月30日

 

一般社団法人 低炭素社会創出促進協会

代表理事 吉澤 保幸

 

地球温暖化対策の推進と持続可能な社会の達成

 気候変動枠組条約第23回締約国会議(2017年11月)では、長期戦略の議論等パリ協定の実施に向けて具体的な検討が行われます。また、国連持続可能な開発目標の実施も本格化し、持続可能な社会に向けて国際社会は動き出しています。
 我が国でも、昨年地球温暖化対策計画の策定、パリ協定の受諾を行い、長期戦略の検討も進められており、引き続き国際的な議論をリードしていく役割が期待される一方で、持続可能な社会の達成に向けて国内対策を着実に進めていくことが求められています。

 

国内での地球温暖化対策の推進

 我が国の温室効果ガス排出量は、最近やや減少の傾向が見られるものの、2030年目標、さらには2050年の80%削減目標の達成には、第5次環境基本計画の中間取りまとめに指摘されているように、長期的な視点から、環境・経済・文化の統合による地域循環共生圏の形成によって地域づくりを進め、地球温暖化と人口減少・少子高齢化、地方活性化等の問題とを同時に解決していくような持続可能な経済社会を構築していくことが必要です。このような持続可能な経済社会は、当協会が目指す、地域から、「もの・拡大の経済」から「心豊かな暮らし」への転換を図り、人と自然がつながり、生命の輝きを実感できる新たな「環境・生命文明社会」であると言えます。
 持続可能な経済社会の実現のためには、経済社会システム、ライフスタイルの面でイノベーションを創出していくとともに、それを支える技術の開発と、特に技術やノウハウの徹底的な普及が重要です。このためには、当協会が執行しているエネルギー特別会計による補助事業も含めて、関係者の連携の下であらゆる政策を動員していくことが重要となっています。

 

国内での地球温暖化対策の推進に向けての提言と当協会の取組

 当協会は2013年の設立以来、脱炭素社会に向かうステップとして、低炭素社会の創出に資する事業支援や事業評価等を通じ情報の収集・提供を行って参りましたが、特に持続可能で低炭素な社会実現のための技術やノウハウの普及の観点から以下のとおり提言します。当協会としても、環境省や関係機関との連携を密にし、事業者等への広報、優良補助事業事例の発信による普及・啓発等を通じて技術の普及を図り、持続可能な低炭素社会の形成に向けて、努力して参ります。

 

1.持続可能な地域づくりの一環として地球温暖化対策の取り組みを推進するため、行政、事業者、住民、NGO、地域金融機関、といったステークホルダーが連携し、地域と一体となって技術と新たなライフスタイルの構築・普及を進めること。

 地球温暖化対策のための温室効果ガスの排出量の削減に加えて、持続可能な社会に向けて地域循環社会の形成、自然ストックの再生のための活動及び低炭素型のライフスタイルへの転換等が必要となっています。この実現のためには再生可能エネルギーや省エネルギー技術等の普及を地域の関係者が、連携を密にして地域に根差した取り組みとしていく必要があります。

 

2.経済社会のイノベーションを促すために、関係者に対し適切な支援を行うこと。その際、補助金等の分野でも長期的視点に立った目標とそれに向けた戦略的、計画的な行動を進めること。

 持続可能な低炭素社会づくりに向けてイノベーションを起こしていくためには、目標を明確にしたうえで、戦略的、計画的に支援を行い、事業者等が信頼できる長期的な見通しを持って行動できるようにすることが重要です。
 たとえば、補助事業の執行面では、実効性のある効率的な補助事業を目指すことに加えて、補助事業者に対する効率的、適切な情報提供、検証・評価を含め補助事業の結果からのフィードバックを受けて、関係者のニーズにより適合した制度・運用としていくことが重要です。

 

3.「お金の流れを変えることで未来を変える」というメッセージと共にESG投資等の新たな金融行動の推進を、自治体や地域金融機関へ普及啓発していくこと。

 気候変動に対するグローバルな適応の実践として、世界規模でESG投資の急速な拡大等の金融変革のうねりが表出していますが、当協会においても補助事業者(自治体等)に対する事業説明や執行・事業評価調査等において、環境省が進めている、ESG投資の拡大等の新たな環境金融施策等の普及・啓発に注力していくことが重要です。